名古屋大学 大学院理学研究科 天体物理学研究室 なんてん電波天文台
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研究成果

はえ座カメレオン座領域の一酸化炭素スペクトル観測

 カメレオン座は、天の南極付近にあり、日本国内から全く見ることのできない星座の一つです(他にはテーブルさん座、はちぶんぎ座、ふうちょう座)。 カメレオン座分子雲は、太陽系からおよそ160pc(約480光年)の距離にある、近傍小質量星形成領域のひとつです。 カメレオン座分子雲は、カメレオンI、カメレオンII、カメレオンIIIの3つの分子雲から成り、それぞれが太陽の500から1000倍程度の質量を持っています。 カメレオンIでは、若い星が100個以上見つかっています。 分子雲の質量のうち、10%以上が星になっている計算になり(通常は数%)、非常に活発な星形成があったことを示しています。 カメレオンIIは、20個程度の若い星が見つかっており、標準的な星形成が起きていると考えられます。 カメレオンIIIは、若い星が見つかっておらず、星形成の兆候も全く見られません。 このように、カメレオン座分子雲は、3つの分子雲が同じような環境にありながら、星形成の様子が全く異なっています。 カメレオン座分子雲を観測することで、星形成の活発さを決定する要因が何であるか、明らかにすることができると言えるでしょう。

13CO分子スペクトルの観測結果13CO分子スペクトルの観測結果。 上の細長いのが、はえ座分子雲。 下半分がカメレオン座分子雲で、右にあるのがカメレオンI。 左側2つの分子雲のうち、上がカメレオンII、下がカメレオンIII。

  また、はえ座-カメレオン座領域には、星形成の母体である分子雲から大きく離れた場所にも、若い星が多数存在していることが明らかにされています(これは、X線の観測によるものです)。 このような星の起源について、分子雲で生まれた星がはじき飛ばされて移動したとする説と、分子雲(カメレオンI, II, III)から離れたところに小さな分子雲が存在し、そこで星が生まれた(小さい分子雲は、その後散逸して無くなった)とする説の二種類がありました。 我々の観測によって、カメレオン座領域に、カメレオンI, II, IIIの他に、太陽の10倍程度の小質量分子雲が10個程度発見され、後者の説が正しいと結論づけられました。


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	(c)Copyright 2006,Radio Astronomy Laboratry, Department of Physics, Graduate School of Science, Nagoya University.