光は消滅しない物なのですか?何十億年も昔の光は衰えることなく、宇宙空間は光だらけになってしまうのではないですか?

光も消滅します。光も物質と衝突してエネルギーを失い、消えてしまいます。しかし、今の宇宙は密度が低くとても透明であるために、遠くの銀河の光も消えないで地球に届くのです。現在の宇宙にある星の数は、宇宙の広さの割には少なく、宇宙が光でいっぱいになって困るということはありません。夜空が暗いのが、動かぬ証拠です。光で宇宙があふれている、ということはないのです。

実際、光を発する天体の数に対して宇宙ははるかに広大です。念のために、これを計算によって確かめましょう。宇宙の星の総数は1000億×1000億個で、1個の星は100億年光り続けるとします。太陽は1秒間に(4×1033)÷(3×10-12)=1045個の光子を放ちます。100億年は、3×1017秒ですから、3×1062個です。星の放つ光子の総数は、1085個です。宇宙のサイズは200億光年の3乗、つまり、(2×1028)3=1085、つまり1立方センチメートルに1個しかありません。

じつは、宇宙には星の光の他にも光子がたくさんあります。最も多いのは、宇宙背景放射の光子で、1立方センチメートルに500個あります。ただし、この光子の1個のエネルギーは星から出た光子の1000分の1です。

(福井康雄)


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