ガンダムに出てきた「スペースコロニー」は実現可能ですか?

『機動戦士ガンダム』では地球-月系のラグランジュ点に巨大な筒状のスペースコロニーをいくつも造って、人類の大半はそこに住んでいるということになっています。1つのスペースコロニーは、直径が約6キロメートル、長さが約30キロメートルで、そこに数百万から数千万人ぐらいの人が住んでいます。東京23区を巨大な筒の中に詰め込んだと考えると、想像しやすいと思います。

宇宙空間に巨大なコロニーを造るというのも大変な話ですが、入れ物が出来たとして、実際にそこに住むことが可能なのかどうかを、ここでは考えてみましょう。宇宙ステーションでは無重力状態と宇宙線が問題になりますが、スペースコロニーではあまり問題にならないでしょう。重力はコロニーを回転させて遠心力を発生させることで解決できます。宇宙線は厚い壁と「大気」によって遮ることができるでしょう。コロニーの巨大さが住人を守ってくれるわけです。

大きな問題の1つは、地球のような生態系を作ることができるかどうかです。水や空気や食料を地球から運んでいてはとても間に合いません。閉じた世界の中で自然を再現して、あらゆるものをリサイクルする仕組みが必要です。そのようなことは、果たして可能でしょうか?1990年代に、バイオスフィア2という実験が行われました。巨大な建物の中に自然を再現し、閉じた世界に実際に住んでみる実験です。結果は失敗で、2年で打ち切られてしまいました。酸素や食料などが慢性的に不足するようになり、それ以上住み続けることが出来なかったからです。生態系を再現するというのは、簡単なことではないのです。

(早川貴敬)


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