「宇宙100の謎」とは?

「宇宙100の謎」は、一般の方が抱いている宇宙に関する「謎」を広く募集し、それに対し科学者が回答する企画です。 天文学などの自然科学の視点だけでなく、哲学、科学政策論など人文科学、社会科学なども含めた、より広い視点からの回答を目指しています。

2006年6月から2007年1月まで、ポスターを全国各地の科学館等に掲示していただき、また講演会などの折にも質問を募集しました。インターネット上でも「謎」を応募できるようにもしました。おかげさまで、ハガキによる応募が629通、メールによる応募が153通と、多くの「謎」が寄せられました。これは予想を遙かに上回る数字でした。

2013年12月にはfacebookページを開設しました。SNSを使った科学コミュニケーションの在り方を模索しながら、皆様が宇宙について知りたいことに答えて行きたいと思います。

寄せられた質問

  • 宇宙のはじまりと広がり (29問・254名)
  • ブラックホール (16問・92名)
  • 銀河・銀河団・ダークマター (19問・31名)
  • 恒星・惑星 (38問・100名)
  • 太陽系 (48問・65名)
  • 地球・月 (41問・71名)
  • 身の回りの宇宙 (44問・58名)
  • 物理・宇宙開発・SF (94問・193名)
  • 宇宙人・地球外生命体 (14問・91名)
  • 生命・存在・その他 (20問・38名)

多くの方から寄せられた質問

  1. 宇宙には果てはありますか?どうなっていますか? (89名)
  2. 宇宙人はいますか? (55名)
  3. 宇宙の大きさはどれぐらいですか? (28名)
  4. ビッグバン以前には何があったのですか? (27名)
  5. ブラックホールに吸い込まれるとどうなりますか? (24名)
  6. どうして宇宙に重力が無いのですか? (20名)

科学者もビックリ!な質問の例

  • 宇宙は何色でしょうか?
  • ウルトラマンはいますか?
  • 宇宙空間で花火を上げるとどうなりますか?
  • 星は☆型ではないんですか?
  • 宇宙はにおいますか?

「宇宙100の謎」のあゆみ

2006年 4月
宇宙100の謎」プロジェクト開始
2006年 7月
「謎」の募集開始
2007年 4月
「宇宙100の謎」大発表会
2008年 7月
ESOF2008(バルセロナ)に出展
2008年10月
『珍問難問 宇宙100の謎』刊行
2010年 7月
ESOF2010(トリノ)に出展
2010年11月
サイエンスアゴラ2010に出展
2011年11月
サイエンスアゴラ2011に出展
2011年12月
『宇宙100の謎』文庫化
2012年 2月
『宇宙100の謎2』刊行
2013年11月
サイエンスアゴラ2013に出展
2013年12月
facebookページ開設

科学コミュニケーションとしての「宇宙100の謎」

これまでにも、Q&A形式の「宇宙の謎」本の試みはいろいろありました。もちろん、その中には優れたものもたくさんあります。しかし、既存の謎本では、謎を選んで問いかける主導権は執筆者つまり科学者の側にあったように思います。つまり、科学者が、市民に知っておいてもらいたいことを選んで、それについて解説する、という形式です。

一方、科学コミュニケーションの双方向性の大切さについても最近では認識が進み、さまざまな双方向的コミュニケーションの試みがなされてきました。それも、科学者の話題提供の後で、議論のフェーズになったときに市民から意見を聞こうというスタンスのものが多いように思います。

われわれの「宇宙100の謎」の特徴は、謎を問いかける主導権を市民にお渡ししてみようという点にあります。このことにより、科学者の「知っておいてもらいたいこと」からではなく、まずは市民の「知りたいこと」からスタートする、という真の意味での双方向的コミュニケーションに向かって第一歩が踏み出せたのではないかと考えています。

もちろん、市民から寄せられた質問には、回答に当たった専門家を悩ませたり当惑させたりするものがたくさん含まれています。そうした「ズレ」を認識することは、科学者にとっても貴重な体験となります。われわれは、このプロジェクトをさらに進め、「知って欲しいこと」と「知りたいこと」のズレの本質を、国際比較なども通じて明らかにしていこうと考えています。

謝辞

「宇宙100の謎」は、科学技術振興機構社会技術研究事業「基礎科学に対する市民的パトロネージの形成」(代表・戸田山和久)の協力で推進しました。また、科学研究費補助金・挑戦的萌芽研究「『宇宙100の謎』をモデルにした科学コミュニケーションの広範な展開」(代表・福井康雄)の支援により推進しています。