人と話すことの効果(2015年6月)

2015年6月度のビデオメッセージ

皆さん、こんにちは。今月のメッセージをお伝えしたいと思います。

きょうは、海外に行っていろいろな人達と交流することの楽しさ、そして大切さについてお話をしたいと思います。

私は年に何回か、ヨーロッパ、オセアニア、あるいはアメリカと、いろいろな国に行って、いろいろな研究者の方と交流します。このような国際的な旅をしながら、いろいろな人達と交流し、意見交換をすることは、研究をするうえでとても大事です。いままで、おそらく100回以上、海外に出張していると思いますが、その99%以上は、この旅行をして良かった、出張して良かった、いろいろな人達と話すことは本当に大切だなと思うことの連続です。ほとんど意味がなかったなと思ったのは、本当に1回あるかないかぐらいです。

自分自身の研究場所、いまの私でいえば大学ですが、大学での日々のなかで、それ以上の刺激を受けない日常的な生活のなかで思いつくこと、考えることにはどうしても限りがあります。そのなかで一つ有効なことは、自分がいろいろな新しい話をして、聞いてもらうことです。そのように、まず自分自身が話すことで頭の新しい部分が動き、それによって新しい思考の方向ができてきます。話すだけで大変意味があります。

さらに、いろいろな人達が、どのような表情をして私の話を受け止めているのか、そしてどのような質問をするのかということが積もっていきますと、これも非常に大きな情報源、同時に刺激の源になります。このような刺激を受けながら、例えば旅路の帰路で、講演の様子や、あるいは質問の様子、会話の中身をいろいろ反芻します。そのなかから次の研究の方向が発見できる、あるいは自分自身がどこにいるのかが非常に明確になる、自分自身がよくわかるといってもいいかもしれません。そのように大変貴重な、大きな働きがあります。

これからも世界との交流を大切にしながら、そのようなものの成果を学生諸君に伝え、あるいは一般市民の方々にもお伝えして、ますます楽しい宇宙の研究を進めていきたいと考えています。

どうもありがとうございました。

【キーワード】 国際化意見・エピソード