ポンペイの遺跡(2016年8月)

2016年8月度のビデオメッセージ

皆さん、こんにちは。今月のメッセージをお伝えしたいと思います。

先月、名古屋市内で、ポンペイの遺跡の展覧会が開催されておりまして、みに行って大変感銘を受けました。非常に高い水準の壁画が展示されておりまして、当時、ポンペイの人々が、イタリア半島、ナポリの近くですけれども、素晴らしい壁画の芸術に囲まれて、実に豊かな暮らしをしていたということが、非常に良く、克明に伝わってきました。

ヴェスヴィオ火山の爆発によって、火山灰、あるいは溶岩のようなものが、何度かにわたってどんどん周りに流出し、その結果、町全体が火山灰によって、いわば封印された状態になっていました。ヴェスヴィオ火山が爆発したのは、紀元79年だったそうですが、この展覧会を通して、その頃の美しい絵に囲まれた素晴らしい市民の生活というものが非常に生々しく、我々に伝わってきます。全国何カ所かを巡るようですので、機会があればぜひご覧になってはいかがかと思います。

そして、つい私は、そのポンペイの人々の暮らしと、現代の日本の社会を比べてみたくなります。いま、かなりの人達が時間があると携帯電話に向かってゲームをしています。例えば絵を楽しむといった余裕がないというか、習慣がないというか、そのような心の情操を育む時間が、あまりにも少ないのではないかという気がいたします。それにひきかえ、現代社会に比べて物質的には決して豊かではなかったであろうポンペイの人々は、非常に豊かな精神生活、美に満ちた、芸術に満ちた暮らしを送っていたということを、つい比べてみたくなりました。

今月のメッセージといたします。ありがとうございました。

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