講義のスタイル(2010年6月)

2010年6月度のビデオメッセージ

皆さん、こんにちは。今月のメッセージをお伝えしたいと思います。

きょうは私の講義の仕方、スタイルについてご紹介しようと思います。

私も週に何回か、大学1年生から大学院生までを対象に講義をしておりますが、いくつか心がけていることがあります。

1つ目は、必ず黒板に向かってチョークで書くということです。たまに例外もありますけれども、講義でスライドを使うことはまずありません。字と数式、いろいろなグラフ、宇宙の絵、そのようなものを必ずチョークを使って手で書きます。それを学生諸君に写してもらいます。この作業が学習、ものを学ぶということにおいて非常に重要ではないかと思っております。それが1つ目です。

2つ目は、私は教室全体をかなり頻繁に歩き回っているのですが、学生諸君が机の上でいったい何をやっているのかをのぞき込むようにしております。そして、学生諸君の目をみて、集中の程度や、ときどき寝ている人もいますが、その様子をみて、自分の講義がどのように受け止められているのかということをリアルタイムでモニターしています。

3つ目は、講義の最中にかなり頻繁に学生諸君に質問をし、また計算問題を出しています。例えば5分間ぐらい時間を与え、「このような数式を使って、このような考え方で、すぐに計算してみよう」という設問を出して、みんなの反応をみています。できる人もいますし、できない人もいますが、そのような人達に一つの講義で1回か2回は黒板の前に来てもらって、「さあ、一緒に考えてみよう」というスタイルで、こちらの働きかけに対して学生が生き生きと反応してくれるように心がけて講義をしています。

おそらく、ほかの先生方はこのようなことはやっていらっしゃらないのではないかと思うのですが、いかに心を通わせた時間にしていくかという努力の一つと受け止めていただければいいかと思います。

実は、一般の社会の方々にも、現在、2カ月に1回、「福井教室」という計2時間の天文学講座を行っています。これは私のホームページをみていただくと、例えば7月は10日の土曜日、午後2~4時の2時間ですが、毎回、100名を超える方々が聞いてくださっています。前回は潮の満ち引きの説明をいたしましたけれども、質問も大変たくさん出て、私にとっても大変勉強になる楽しい時間です。もしお時間があれば、一度、のぞいてみられてはいかがでしょうか。申し込みの必要はありません。

以上で今月のメッセージとさせていただきます。ありがとうございました。

【キーワード】 情報発信研究・観測