日本の素晴らしい文化(2011年3月)

2011年3月度のビデオメッセージ

皆さん、こんにちは。今月のメッセージをお伝えしたいと思います。

毎月のメッセージでもときどきお話ししますけれども、私は海外に行く機会がかなり多いです。そして、行く度に「日本は本当に良い国だな」と、つくづく思います。いろいろ犯罪もありますし、昔と比べて治安もずいぶん悪くなったと皆さん思っていらっしゃると思いますが、それでもやはり日本は本当に平和で、安全で、人々の気持ちの良い、世界全体からみると、とても貴重な国の一つではないかと、いつもそのように思っています。

例えばパリの地下鉄と日本の地下鉄を比べますと、日本の地下鉄は切符を買って入りますが、ほとんど無防備なのですね。無防備とはどういうことかといいますと、例えばフェンスがあっても、その高さがすごく低いのです。もし悪意を持って、少し元気のいい若者が乗り越えようと思えば、易々と塀を乗り越えて無賃乗車ができる、出入りができる高さになっています。日本の人達はそのような悪いことを一切、思いつきもしません。ところが、パリの地下鉄の壁は非常に高く、丈夫にできており、そのような故意の暴力などに対して極めて頑丈に防御されています。世界では、むしろそれが普通ですから、日本が特異なのです。

そのようなことにも表れているように、人々のことを互いに思いやる、とても美しい国民性を持った人達の集まり、それがこの国ではないかという気がします。特に最近、マスコミュニケーションをみていますと、自分たちの悪口、日本の悪口をいうことが非常に増えているような気がいたします。ただ、世界全体を公平にみると、決してそのようなことはないと思います。人々はとても知的で、インテリジェントで、そして素晴らしい社会を作り、それを維持してきているという気がいたします。

最近、仕事で何回か京都に行きました。名古屋と京都は大変近く、わずか40分ぐらいで簡単に行けます。そして、皆さんに教えていただいた京料理のお店にときどきお邪魔するのですけれども、そこで感心しますのは、料理だけではなくて、おもてなしの気持ちというのでしょうか、それがとても伝わってくるお店が、すべてではないですけれども、多いことです。特に印象的なのは、多くのお店でお店を出るときにご主人が抜け道を通って自ら玄関に出てこられ、ちゃんとお見送りをされます。それが京都の習慣なのですね。大変良い習慣が残っていると思います。

食べ物についてもいえるのではないかと思います。日本料理はとても心を込めて材料の下ごしらえをして、手間をかけてお出汁をとります。世界の料理のなかでも、これだけやさしくておいしい料理を考えて、それを日々の生活で活かしている文化、国は本当に貴重だと思います。海外のよくわかっている友達も、日本の料理のおいしさ、そしてそれを味わう楽しみをよくご存じです。

一度、この国が、自分たち自身が世界でどのような位置にあり、どのような文化を皆さんに伝えていくべきなのかということを考えてみることも、あながち悪いことではないように思います。

ありがとうございました。

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