クラシック音楽とオペラ(2012年5月)

2012年5月度のビデオメッセージ

皆さん、こんにちは。今月のメッセージをお伝えしたいと思います。

きょうは音楽のお話をさせていただこうと思います。

私も小さい頃から音楽、特にクラシック音楽を聞くことが大好きでした。思い起こしてみますと、最初にヨーロッパから来たクラシックの美しさ、素晴らしさを感じたのは小学校の低学年の頃でした。小学校5、6年生の先輩の方々が演奏していた器楽曲を学芸会で聞き、「本当に美しいものがあるな」と感激いたしまして、小学校の頃から、とてもいろいろな音楽に親しみました。小学校ではやはりベートーヴェンが授業でもよく出てくるわけですが、私は多少へそ曲がりだったものですから、むしろ「モーツァルトのほうが良いのではないか」と思いまして、特に小学校の中頃から高学年にかけて、モーツァルトの音楽をよく楽しんで聞いていました。

当時、小学生にとってはレコードを買うこともなかなか大変なわけですが、私が最初に買った思い出のレコードはカール・ベームが指揮したベルリンフィルのシンフォニー、50番と51番です。裏表になっていて、飽きるまでといいますか、何度聞いても飽きないわけですが、何度も何度も楽しんで聞いたことを覚えています。モーツァルトの音楽は本当に自然に、本当に天才的な閃きで、私達の心に伝わってくる曲が多いわけですが、私も天才の美しさ、素晴らしさを大変強く感じたことを覚えております。

その後、高校の頃に、私は新聞部の部長で新聞を作っていたのですが、文化祭の記事を書こうということで、割と前のほうに陣取って、音楽や劇、お芝居等をみていました。そのなかでオペラが演じられ、これがまた大変面白かったのです。これもほとんど同級生の、高校2、3年生がやっていたわけですが、音楽と歌とお芝居と、さらに舞台装置も含めて、オペラという楽しい世界があるのだということに感激しました。しかし、やはり高校生の身分では、すぐにオペラには行けません。

ようやくオペラに行き始めたのは、大学院生になってからです。当時、東京におりましたので、二期会が1シーズンに5、6回公演をしていました。端っこのほうの安い席で、大学院生で少し生意気だったかもしれませんけれども、かなり頻繁にオペラを聞きに行きました。真ん中のほうの良い席では、テレビによく出ておられるようなお医者さんの先生方がみていらっしゃったり、そのようなことを横目でみながら、二期会のオペラを楽しんだことを覚えております。

その後、30代になり、縁がありまして、ドイツのケルン大学と共同研究を始めました。ケルンにひと月ほど滞在しまして、当時は当日券が楽に買えましたので、気が向いた時間があると、夕方、オペラハウスに行っていました。当日券は千円、二千円ぐらいでした。ケルンのオペラハウスは、日本ではあまり知られていません。おそらく来日公演をしたのは1回しかないのではないかと思いますが、大変水準が高い、楽しいオペラ、そしてバレエをみせてくれました。

その後、国内外で、何回、オペラに行ったかわかりませんけれども、大変素晴らしい人生の一部をいただいたと思っております。

ただ、この10年ぐらいの間は、バッハをしっかり聞いてみたいと思いまして、ほとんどバッハを聞き続ける毎日でした。ようやく最近、もう一度、モーツァルトに戻ってみようかと思っている、きょうこの頃です。

誠にまとまりの悪いお話で、今月は大変失礼いたしました。ありがとうございました。

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