平成15年度発足 科学研究費補助金 特定領域研究
サブミリ波帯からテラヘルツ帯に至る 宇宙観測の開拓
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研究目的
新たな波長帯の開拓:サブミリ波からテラヘルツ帯
サブミリ波の重要性
研究遂行上の2つの特色
最高のサイトとしてのアタカマ高地
「検出器工場」の創設
国際的情勢
南天からサブミリ波天文学へ
研究内容
研究成果
公募研究
リンク
最高のサイトとしてのアタカマ高地

本研究では、サイトとして標高4800mのチリ・アタカマ高地を組織的に活用する。このサイトは、1990年代後半に優れた天文観測サイトとして認識された。たとえば、ハワイ・マウナケア山頂(標高4200m、晴天率60%程度)と比較しても、標高で600m以上高く、さらに晴天率も70%以上という大きな利点がある。空港からも3時間以内で良好な道路によってアクセスできるなど、運用に関する条件も整っている。このサイトの発見においては、日本の研究者(国立天文台、東大山本グループ)とチリ大学研究者のサイトサーベイの努力が大きく貢献している。一方、南極点(標高3000m級)もサブミリ波用サイトとして使用されているが、全天の50%以下しか見えないこと、アクセスに大きな制約があることなどの理由で、最適とは言えない。標高5000m級のアタカマ高地は、既知のサイトを凌駕する理想的な地上観測サイトである。本研究は、アタカマ砂漠をサブミリ波観測に系統的に活用する初めての試みである。


●アタカマにおける水素分子の直接検出

本研究ではさらに、中間赤外線域の波長17ミクロンにある水素分子回転遷移の観測を小型赤外線望遠鏡によって試みる。水素分子は、電波領域に遷移がなく、量的にはごく一部にすぎない振動励起・電子励起状態からの紫外線、近赤外線(2ミクロン)の遷移が観測されているのみである。しかし、重元素量の異常をとらえるには水素分子との直接比較が最も精確であり、星間分子ガスの大部分を反映する回転励起状態からの17ミクロン遷移を観測することは意義が大きい。同遷移はこれまでに、赤外線天文衛星ISOによって上空から試験的に観測されてはいるが、天文学情報としては活用できていない。本研究によって、地上最高のサイトの利点を生かした水素分子の広範な観測が初めて可能となり、サブミリ波観測データの解釈において強力な参照情報をもたらすと期待される。

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